転職をする人は、1回だけで終わらず2回目3回目と数年おきに繰り返す傾向があります。
それは「飽きっぽい性格」や「向上心がある性格」という一般的な理由だけでないことも多いのです。
今回は、初めての転職後に悩まされることについて、解説していきたいと思います。
初めて転職する人が持っている「転職の間違ったイメージ」を払しょくすることで、同じ間違いを防ぐことができるかもしれません。
転職後のイメージを具体的に持ち過ぎる
初めて転職する人は、1つの会社しか経験していないことになります。
そのため、自分の中での会社のイメージや仕事のイメージは「前の会社」がすべてであり、転職後も前の会社と同じようなことが続くと思っている人が多いのです。
しかし、会社は規模や経営者によって雰囲気もやり方も違います。
とくに大企業から中小企業に転職した人は、「思い込み」によるギャップが激しく、数年で再び転職活動を始めことがあるのです。
大企業は、上からの指示で動く仕事が多いため、ある程度のスキルを身につけると物足りなさを感じることもあります。
そのため、もっと自分の力を活かせる会社に転職したいと思い、転職することになるのです。
たしかに、中小企業は上からの指示で動ける人よりも、自分の判断でどんどん動ける人の方が評価されるかもしれません。
しかし、自分の判断で動けるということは責任も自分が持つ必要があるのです。
大企業のシステムに慣れている人は、仕事でなにかあっても責任は上司やトップがとるものであり「自分は守られる立場」だと感じていることがあります。
大企業でスタッフとして働いていた人も多くは、企業のシステムがしっかりとあり、その中で働くことが当たり前だと思っているかもしれません。
そして、その「当たり前」は転職後にどんな会社に行っても続くものだと思っている傾向があるのです。
転職とは、会社の場所が変わるだけではなく、仕事内容も雰囲気もすべて一変する可能性があることを知っておく必要があります。
転職後の生活を具体的にイメージすることは大切なことです。
しかし、そのイメージが思い込みではなく現実に即していることはもっと重要なことなのです。
新しい環境を合わない環境と誤解する
初めて転職する人は、数年ぶりに新しい環境の中にい飛び込むことになります。
新卒で採用されたときには、同期入社の仲間がいるため、新しい環境であっても「一人ぼっち」を感じずに過ごせたでしょう。
しかし、転職者は一人ぼっちで新しい環境に入ることになります。
新しい環境は、最初から居心地よく過ごすことはできません。
最初の数週間は1時間が3時間に感じられるくらい長く感じるかもしれません。
数カ月たてば、徐々に環境に慣れるでしょう。
しかし初めて転職した人は「新しい環境に慣れない」ことを「自分に合わない環境」と誤解してしまい、すぐに2回目の転職を考え始めてしまうことがあります。
ことわざに「人には添うてみよ馬には乗ってみよ」という言葉があります。
意味は、「人とは付き合ってみなければわからない、馬は乗ってみなければわからない」ということです。
転職先の会社も同じではないでしょうか。
入社した直後は、慣れていないから疲れるのか、合わないから疲れるのかはわからないものです。
しばらく勤めてみることで、本当に自分と合っていないのかがわかるのではないでしょうか。
次回の転職活動もスムーズに行えると思っている
1回目の転職活動は、スムーズに終えられる人が多いかもしれません。
年齢も若く、初めての転職は不利になることがあまりないため、採用担当者も採用しやすいのでしょう。
初めての転職活動をスムーズに終えられると「転職は思ったより簡単だった」と思うかもしれません。
しかし、転職はそんなに簡単なものではありません。
転職は、タイミングや運も影響します。
1回目はタイミングが良かったかもしれないけれど、2回目以降も同じようにいいことが続くとは限りません。
初めての転職を無事に終えると、転職を軽く考えてしまい、職場で嫌なことがあれば、すぐに「転職」という言葉が頭をかすめるようになる人もいます。
しかし「今回は恵まれていた」と考えたほうが正しいのかもしれません。
会社で嫌なことがあったり、仕事で合わないことがあれば、転職よりも社内異動で解決策を考えたほうが手軽であり、自分のキャリアを継続できる可能性が高いでしょう。
まとめ
転職は「すべてをリセットできること」と考える人もいます。
たしかに職場をリセットすれば、人間関係も一から始まるため、人によってはすべてがリセットできるのかもしれません。
しかし「リセットする」ということは、再び一からスタートするということです。
何度も一からスタートしていれば、いつまでたっても数字を重ねることができません。
転職をリセットする手段と考えないことが、無意味に転職回数を増やさないポイントなのではないでしょうか。