「退職代行を使いたいんですけど、まさか会社から訴えられるとかあるんですか?」
そんな質問、最近よく受けます。
たしかに、いろいろ調べてみると、退職代行で無理やり退職した場合、会社から損害賠償請求される可能性があるみたいな話が書かれていることがあります。
ただ、結論からいうと、
法的には損害賠償請求の可能性はあるけれども、実際はほぼゼロに近い
です。
今回はそんな退職代行と会社から訴えられて損害賠償請求されるリスクについて、解説していきたいと思います。
早く会社を辞めたいんだけど、退職代行が大丈夫か不安になっている人の少しでもお役に立てると幸いです。
Contents
そもそも会社が社員を訴えることはできるのか?
では、まず、本題に入る前に、そもそも論として、会社が社員を訴えることはできるのでしょうか。
「え、そんなん、できるに決まってるやん。なんでそんな疑問持つねん。」
と思うかもしれませんが、そんなやたらめったら会社が社員を訴えられるのであれば、怖くて仕事なんてできませんよね。
ミスしたくらいで、いちいち損害賠償請求とかされてたら、怖くて仕事なんてできませんし、それじゃ社会はまわりません。
「でも、退職はミスちゃうんやん。」
というかもしれませんが、ミスどころか労働者に当然に認められた権利です。
その権利を行使したからといって、訴えられるなんておかしい話ですよ。
とはいいつつ、絶対に会社が社員を訴えられないかというと、そこまでではなく、
- 会社の金を横領していた
- 機密情報を流出させていた
- インサイダー情報をもとにインサイダー取引をしていたなどの不正行為があった
などの重大かつ深刻な問題がある場合には、さすがに訴えられます。
そら、さすがに犯罪とかしたら、あきませんよね。
その場合には、なんぼなんでも会社から訴えられることになります。
退職代行で訴えられることがあるの?
退職自体では、会社から訴えられることはない旨を上で解説してきました。
また、退職に限らず、そもそも会社から社員が訴えられることは、極めて限定的であることもご理解いただいたかと思います。
では、本題の退職代行を使った場合にも、訴えられないのでしょうか。
ただ、退職代行を利用して退職したことが、横領とか機密情報漏洩ほど、悪質の高いことでしょうか。
退職代行のように、会社から退職する意思を本人に代わって会社に伝えることは、正当な代理人である限り、なんら問題はありません。
犯罪どころか、違法性すらありません。
また、法定代理人でなくても、交渉さえしなければ、弁護士法に抵触することもないそうです。
そんな退職代行を利用したからと言って、会社から訴えられることは、基本的にはありません。
ただし、「基本的には」です。
もちろん、例外的に訴えられることもあります。
それは、極端な例ですが、実は、
訴えが認められるかどうかは別問題として、訴えるのは自由
ということなんです。
つまり、別になかったことであっても、民事訴訟ならとりあえず裁判費用さえ払えば訴えることは可能です。
訴えることと、訴えが認められることは別問題です。
なので、一種に脅しとして、
「退職代行なんかでやめるなら、損害賠償請求するぞ!」
とか言ってくることはあります。
ただの脅しです。
脅しではありますが、訴えようと思ったら訴えることは可能なのです。
実際は、裁判費用が掛かったり、時間がかかったりして、訴えたほうが確実に損をするので、あまりに常軌を逸した会社でない限り訴えてくることはないと思いますが、法律を知らない素人を脅す常套手段ですね。
もしどうしても、
「うちはそれでも訴えてきかねない異常な会社ですねん」
と思われるなら、弁護士のやっている退職代行を利用されることをお勧めします。
そもそも弁護士が対応してくれるので、訴えられても、その延長でどうにかしてくれますし、そもそも訴えられないように訴訟のプロとしてうまくコントロールしてくれます。
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各退職代行業者の訴訟への考え方
退職代行業者を使って退職したからといって、会社から訴えられることはまずないということを解説してきました。
次は、各退職代行業者が、実際に会社からの損害賠償請求について、どう考えているのかを、公表されている限りでまとめてきました。
EXIT
会社から訴えられませんか?
「訴えるぞ」と脅してくる会社もありますが、裁判をするコストを踏まえると、会社側にとって割に合いません。また、実際に訴えられたケースは一度もありません。
RETIRE
辞めるなら損害賠償請求すると会社に言われています。それでも退職できますか?
労働者様には「退職の自由」があり、退職することは労働者様の自由です。雇用主様から「辞めるなら損害賠償を請求する」と言われた場合、何についての損害なのかを明確に確認するべきです。労働基準法をはじめ法的には労働者様は手厚く保護されています。労働者様によほどの重責が無い場合、損害賠償請求そのものが不当となる場合が考えられます。不当な損害賠償請求の場合、退職意思を撤回させるための「脅し」である可能性が高いと考えられます。
SARABA
損害賠償を請求すると言われたらどうしますか?
契約期間中や、バックレの場合は賠償請求の問題がでてきますが、裁判費用と時間を考えると、デメリットが大きいです。さらに、実際に訴えられたケースは一度もありませんのでご安心ください。
ウラノスの退職代行
本当に退職出来るの?会社から訴えられるか心配
脅し文句として、訴訟を伝えてくるケースも中にはあります。
しかし裁判の費用面や、時間的コストを考えると会社側にもメリットがありません。
リスタート
会社から訴えられないか心配です……。
「訴えるぞ」と脅してくる会社も稀に存在します。ですが、裁判には膨大なコストがかかるため会社側にとってデメリットが大きいのが現状です。また、実際に訴えられたケースは一度もありません。
Change Life
会社から訴えられませんか?
中には、会社から脅されたり、嫌がらせを受けたりするケースもあるかもしれませんが、
実際には、裁判コストを考えると割に合わない為、訴えらることは考えづらいです。
また、当事務所に依頼された案件で、会社に訴えられたケースはございません。
退職代行で裁判で負けた例はないの?
ここまで、退職代行で訴えられることはない旨を解説してきました。
また、各退職代行業者のサイトをみても、同様の解説がされていますし、実際に訴えられた例は皆無に近いといえます。
「皆無に近いて、皆無ちゃうんかい!」
はい、そうなんです。
かくしても仕方がないので、一応本当のことを書いておくと、ゼロではありません。
正確には、退職代行を使ったから訴えられたわけではなく、まずい退職の仕方をしたから訴えられたという例があります。
なので、退職代行を使い、すごく不誠実な退職の仕方をした場合のリスクとして、ここではひとつの判例をご紹介していきたいと思います。
ケインズインターナショナル事件(東京地裁平成4年9月30日判決)の概要
ここで紹介するのは、ケインズインターナショナル事件(東京地裁平成4年9月30日判決)という判例です。
どういう事件だったかというと、社員が病気を理由に欠勤したため、本来受注していた契約が解除になってしまったので、その分の損失(逸失利益)を社員に請求したという事案です。
これだけだと、別にそんなことで請求されるのかよというような事案なのですが、実はこのケースでは、会社と社員の間に、
「社員が会社に対して逸失利益の一部である200万円を支払う」
という合意が存在しました。
法律的には、この合意の有効性について争われた裁判でした。
ケインズインターナショナル事件(東京地裁平成4年9月30日判決)の判決
社員が退職したことにより、会社は1,000万円の損失が発生しています。
その一部である200万円を、会社と社員の合意にもとづいて、社員に請求しました。
結論としては、全額は請求が認められず、裁判所は、
「請求額の一部の70万円のみ支払うように」
と命じました。
全額ではないにせよ、一部が認められた判決として、画期的な判決となりました。
社員の退職の仕方によっては、退職により不法行為責任が生じ、社員への賠償請求が認められるとした初の判決となります。
結論どうなの?
とはいいつつ、通常はこんな合意なんてありませんし、そもそも退職代行を使った事案でもありません。
このケースでは、退職代行を使おうが使わなかろうが、退職の仕方が不誠実だったために生じた訴訟でした。
なので、退職時に「損失を与えたらその一部を支払う」とかいう特殊な合意がない普通のまっとうな退職である限り、退職代行を使おうが、全く問題ないと言っていいでしょう。
⇒それでも心配な方はこの弁護士が運営する退職代行を利用ください
損害賠償リスクを回避するための方法は?
退職代行では、ほぼ会社から訴えられる損害賠償リスクはないですが、それでも心配な方に、ひとつアドバイスしておきたいと思います。
できるだけ損害賠償リスクを減らすためには、
必要最低限の業務上の引継ぎ
をしっかりしておいてください。
そうすることで、退職による損害額や過失度合い、帰責性を減らすことができる可能性があります。
上司や仲間と仲が悪くても、資料を作ってメールで送信しておくことくらいはできますし、なんなら退職代行業者に託すこともできます。
退職代行を使うこと=不誠実なのではなく、退職代行を使いつつも誠実に退職時の引継ぎをしておくことで、最低限のリスクは減らすことができるのです。
実際に損害賠償請求をされた場合の対処方法は?
法律に詳しくない素人の方は、損害賠償請求で訴えられるといえば、びびってしまうのですが、実は怖くありません。
法律を少し知っていると、
「訴えるぞ!」
と言われても、
「おもろい、やってみいや」
といえるんですが、どうしても知らないとビビッてしまいます。
なぜ法律を知っているとそんなに余裕をかませるかというと、不法行為に基づく損害賠償請求は、訴える側が
- 損害額
- 不法行為と損害の因果関係
- 故意過失
などを挙証しないといけないからなのです。
そんな簡単なことではありませんし、かりに挙証したとしても、ケインズインターナショナル事件のようにすべての損害額が裁判所に認められるわけではありません。
なので、仮に訴えられても、あわてふためかず、専門の弁護士の先生に相談に行きましょう。
訴えられなくても懲戒解雇される可能性は?
退職代行を利用して退職したことで、訴えられるところまでいかなくても、懲戒解雇になるのではないかと心配する方もいらっしゃいます。
結論からいうと、これも大丈夫です。
就業規則の中で最も重い処分である懲戒解雇にするには、相当の理由が必要です。
ちょっと退職代行を使って退職したくらいで懲戒解雇にはできません。
総合評価・安さ・信頼の3つの視点で選んだ退職代行3選
最後に、どの退職代行業者に依頼するか迷いますよね。
そこで、どの退職代行業者がよいのか、
- 総合的に優れている退職代行業者
- 最安値でとにかく安く依頼できる退職代行業者
- 絶対に失敗したくないなら信頼の観点で安心できる退職代行業者
の観点で3つおすすめしたいと思います。
ランキングとかじゃなく、退職代行はこの3つの視点でどれを選ぶかがよいかと思います。
総合的に最もおすすめな退職代行は?
まずは、総合的な観点で、
- 安さ
- 質
- 安心
- 信頼
- キャンペーン
- 評判
などを判断し、もっともバランスよくすぐれているところをお勧めしたいと思います。
それは、
です!
当サイトでは、このEXITを一押しの退職代行としておすすめします!
もし自分が再度この退職代行を使うとしたら、絶対にEXITを使うと思います。
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最安で利用できる退職代行は?
次に、総合的にバランスが取れた無難な退職代行業者じゃなく、とにかく安くないとあかんねんという方に、どの退職代行業者がよいのかを解説したいと思います。
安さの観点はシンプルです。
ただ、安いところから順番に並べてみたら、どこがいいのかわかるので、主なところの料金を安い順で掲載します。
- 退職代行のミカタ:25,000円⇒ここはおすすめしません!
- ニコイチ:29,000円
- SARABA:29,000円
- 退職代行センター:30,000円
- GIVE UP:30,000円
- アンジュ:30,000円
- Espoir:30,000円
- コンシェルジュ:30,000円
- 辞めるんです:30,000円
- 退職代行.com:40,000円
- 汐留パートナーズ法律事務所:54,000
ただし、怪しい小さな業者や数ある法律事務所とか代表的なもの以外は省いたのと、退職代行のミカタについては、直近で知人が失敗したという例を複数聞いたので、おすすめはしません。
退職代行のミカタを外し、格安な退職代行として最もおすすめなのは、ニコイチです。
⇒最安で利用できるニコイチはこちら!
なので、どいうしても1円でも安くという方でないなら、総合的にバランスよくすぐれているEXITがよいかと思いますよ!
信頼の観点で選ぶと最も安心の退職代行は?
最後は、信頼という観点で、最も安全な退職代行を紹介したいと思います。
「信頼」とか「安全」といった視点で考えるなら、絶対に弁護士に依頼すべきです。
弁護士といっても、
- 弁護士が行っている退職代行
- 弁護士が顧問に入っている退職代行
の2パターンがあります。
信頼や安全、安心を重視するなら、絶対に前者の弁護士が行っている退職代行にしてください。
その中でも、特におすすめなのが、
です。
いくつかの法律事務所が退職代行をしていますが、大体どこも法律事務所も同じようなものです。
ただ、この汐留パートナーズは、たくさんの退職代行の実績が多いので、その分おすすめという感じです。
慣れていた方が、経験則的に交渉などがうまくなりますし、手続き等もスムーズに完了してくれます。
利用料は54,000円なので、少し高くなりますが、保険だと思って安心を買いたいという方にはおすすめです。
⇒退職代行で最も信頼できる弁護士の汐留パートナーズ法律事務所はこちら
まとめ
今回は、退職代行によって、会社から訴えられて損害賠償請求を受けるのかについて、解説してきました。
リスクがゼロとはいえませんが、基本的には普通に考えて大丈夫です。
しかも、もし万が一、損害賠償請求を食らったとしても、そこまで心配する必要はありません。
一応、リスクを減らすために、引継ぎだけはしっかりしてやめることをお勧めします。
つまり、辞めるなら損害賠償請求するから、辞めるなというのができるなら、あらゆる労働者は怖くて会社が辞められなくなりますよね。それは、現代の労働法の精神では、厳格に禁じられていることなのです。