転職面接は、新卒面接のようにグループ面接ではなく、個別面接が主流です。
そのため、面接担当者か転職者のいずれかが話をしなくては、当然に「沈黙」の時間ができてしまいます。
そのため、転職者は常に口を開き、何かしら言葉を発し続けようとする傾向があります。
しかし、面接では「言っていいこと」と「言わない方がいいこと」があり、言わない方がいいことを言うくらいならば、沈黙の時間ができたほうがいいこともあるのです。
今回は、面接を受ける前に知っておくと話しやすくなる「言っていいこととの境目」について、解説していきたいと思います。
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「失敗談は話したほうが印象に残る」が、本当の失敗談は話さない
転職面接で受かる人は、面接が終わったときに面接担当者の心に残る話を人が多いのです。
印象に残る話は、「よくある話」ではなく「失敗談」や「体験談」になります。
とくに社会人経験がる転職者の失敗談は、同じ社会人である面接担当者の個人的な興味も引きつける魅力があります。
そのため、面接では「失敗談をお聞かせください」と言われることもよくあることです。
そのときに話す失敗談は、本当の失敗談であってはいけません。
本当の失敗談とは、「前の会社で自分が本当にやってしまった大変な失敗」のことです。
転職面接の一番の目的は「自分の良いところをアピールして採用してもらう」ことなので、自ら自分の汚点になることを話す必要はありません。
面接で話す失敗談は、表向きは失敗談であっても、話を聞いてみれば成功談になっていることがポイントなのです。
表向きの失敗談とは、失敗から立ち上がり「雨降って地固まる」の状況になったエピソードです。
もしくは「失敗は成功の基」のもとのように、ただ失敗で終わらず、後々自分のプラスに変えた失敗談を話すようにしましょう。
自分の汚点になるような失敗談があったとしても、面接で話す必要はありません。
むしろ「言わない方がいいこと」です。
失敗談の「言っていいこと」と」「言わない方がいいこと」との境目は、「最後にプラスに変えられたか、変えられなかったのか」になります。
「自分の家族について」は話す基準を「業務に関係があるか」で決める
転職者の中には、さまざまな事情を持っている人もいます。
とくに30代40代の転職者は、家族を持っていることが多く、介護や子育てなど仕事と上手に両立させなければならない状況の人も多いのです。
転職面接で面接担当者は、個人的な質問はできるだけしないように心がけています。
履歴書にも「配偶者」や「家族」について記入する欄はなくなりました。
しかし、面接を受けに来る転職者は「自分が気になっていること」があると、すべてを面接で言わなければ後々「隠していた」と思われて大変なことになると思っている人がいるのです。
とくに「シングルマザー」や「親を扶養している」ことについて、面接の時点で話しをしておかないといけないと思われている傾向があります。
しかし、転職面接では「家族関係」は合否の材料にはなりません。
「転職者の能力」だけが面接での判断材料になります。
そのため、「私はシングルマザーです」や「私は夜に親を介護しています」と面接の最初から話す必要はないのです。
ただ、家族関係が業務に影響を与える場合は面接で話しておいた方がいいでしょう。
例えば、シングルマザーで子どもが小さいならば「保育園のお迎えがあるため、残業は難しいです」と伝えておく必要はあります。
また、介護をする人は「毎週火曜日と木曜日はヘルパーさんにお願いできるので、残業は可能です。しかし、その他の曜日は6時までしか残業はできません。」など、ある程度の生活状況を話すことで配属部署を配慮してもらえることもあるのです。
シングルマザーであっても、子どもが高校生ならば年齢的にも業務に影響を与えることはほとんどありません。
面接の時に「シングルマザーです」と話す必要はありません。
もしも面接の時に「扶養」について何も聞かれなかったのに、採用後に「扶養者がいるなんて聞かなかった」と言ってくるような会社ならば、入社できたとしてもいろいろと大変なことがあるかもしれません。
前の会社の話は「聞かれたことだけ」が境目
転職面接では意外と「前の会社」について聞かれることは少ないかもしれません。
面接担当者も、前の会社のことは「話したくないかもしれない」と思うため、遠慮して聞かないことも多いのです。
転職者の中には、面接担当者の気持ちを汲んでいるのか、自ら前の会社の話を積極的に話してくる人がいます。
面接担当者としては、前の会社の話は興味があります。
しかし前の会社の話は、良いことを話せば「まだ未練があるのかな」と思われてしまうし、悪口を話せば「どこの会社でも満足できない人かな」と思われてしまうのです。
つまり、前の会社の話は、内容に関わらず面接担当者によくない印象を与えてしまう傾向があります。
前の会社の話は、内容に関わらず面接担当者が聞いてきた質問にピンポイントで答えるだけにしておきましょう。
まとめ
今回は、面接を受ける前に知っておくと話しやすくなる「言っていいこととの境目」について、解説していきました。
面接が終わってみると「言わなきゃよかった」と思うことが多いものです。
一度口から出た言葉は取り消すことができません。
口から出る前に「言っていいこと」「言わない方がいいこと」の境目を知っておくことで、後悔のない面接をすることができるので、ご参考にしてみてください!