転職は収入だけでなく生活スタイルが大きく変化するため、人生そのものを左右することもあります。
人生がかわるかもしれない転職を決意するときには、それ相当の「きっかけ」があるものです。
きっかけは、自ら作ることもありますが、向こうからやってくることも多いのです。
今回は、転職を決意するタイミングを見極めるための「きっかけ」についてお話しします。
転職を決意するきっかけは「異動」が意外と多い
転職に興味を持っていても、実際に行動に移すときには「きっかけ」がなければ行動に移しにくいものです。
転職するきっかけの中でも意外と多いものが「異動」です。
同じ社内であっても、部署が変われば仕事内容も人間関係もガラッと変わります。
大きな会社であれば、異動と共に勤務地が変わることも多いでしょう。
仕事内容も勤務地も変わるということは、会社が変わることと大差ないのかもしれません。
そのため、会社に対して不満を感じていたり、物足りなさを感じていたりした人は、異動を機に転職することがあるのです。
異動をきっかけにする転職は、自分が自ら考えて行動をおこした転職とは多少の違いがあるようにみえます。
しかし異動をきっかけにした転職は、自分の中では長年かけて密かに計画していた転職といえるのではないでしょうか。
密かに計画はしていたけれど、なかなかもう一歩が踏み出せない状態のときに「異動」という話が背中をポンと押すことになるのです。
異動をきっかけにする転職は、異動からの「逃げ」にも見えますが異動も内容によっては「うれしい異動」と「避けたい異動」があります。
避けたい異動ならば、いっそ前向きに転職を考えてみてもいいのかもしれません。
自分を高める「気持ちの転換」をきっかけとする場合は要注意
転職のきっかけの中には「自分を高めたいと思ったから」ということもあります。
しかし、「なぜ自分を高めたいと思ったのか」をよく考えてみることが大切です。
なぜならば「自分をより高めたい」と思うときは、一般的に「うまくいっている状況」であるときが多いのです。
例えば、会社で大きなプロジェクトに成功したとき「自分ならもっと大きな仕事ができるかもしれない」と自信に満ち溢れるかもしれません。
その勢いで転職を決意してしまうことは簡単すぎます。
前向きでやる気に満ち溢れている状態ならば、今の状況が自分に適しているということです。
あえて真新しい環境に飛び込む必要があるのかを落ち着いて考えてみる必要があるのではないでしょうか。
前向きな気持ちの転換をきっかけにして転職した人は、転職後にがっかりすることが多いのです。
「転職先にはもっと素敵な環境が待っている」と思い込んで転職活動をしているため、転職先に求めるレベルが高すぎてしまいます。
転職することで自分を高めることができる人もいるでしょう。
しかしそれは転職先に求めることではなく、自分自身の努力で高めることなのです。
居心地のいい職場であるということは、自分がありのままの状態でいられる場所ということではないでしょうか。
真新しい職場は緊張が伴います。
緊張から解き放たれて、ありのままでいられる場所にするためには、それ相当の時間が必要でしょう。
自分の気持ちの転換をきっかけとするならば、居心地よく「自分を高めたい」と思える職場をあえて離れる必要があるのかをよく考えてから転職に踏み切るようにしましょう。
現実的な変化がきっかけならば転職に適したタイミング
転職のきっかけの中でも、異動に次いで多いきっかけが「生活スタイル」の変化でしょう。
結婚や介護をきっかけに転職を考える人は多いものです。
結婚や介護は、気持ちや人間関係などの抽象的な変化ではなく、現実的な生活スタイルの変化が大きいため、働き方を見直す必要があります。
働き方を変えるための転職は、一番「必要度が高い転職」といえるのではないでしょうか。
転職の目的には2つあります。
一つは「自分の欲求を叶えるための転職」です。
例えば「もっと稼ぎたい」「もっと人間関係のいい職場で働きたい」などのきっかけが挙げられます。
自分の欲求を叶えるための転職は、タイミングの範囲が広い特徴があります。
自分の気持ち次第でタイミングを変えることができる分、絶好のタイミングを見極めることが難しいのです。
もう一つは「必要に迫られての転職」です。
結婚や介護をきっかけとする転職は、自分の気持ちというよりも生活スタイルの変化に伴う転職になります。
転職する目的が明確であり、転職に求める条件がはっきりと挙げられることが特徴です。
必要に迫られての転職は、生活スタイルを見直すタイミングであり、もっと大きくとらえるならば、その後の生き方を見直すタイミングなのです。
転職は、ときには人生を左右することもあります。
生き方を見直すタイミングで働き方を見直すことは、タイミングとしては最高なのかもしれません。
転職は、決意する段階ではゴールが見えない状態です。
少しでもよい結果を出すためには、タイミングを見極めることが大切です。
転職のきっかけは、思いもよらないことであることも多いのですが、一時的な感情をきっかけとするほど転職は甘くありません。
冷静に自分でタイミングを見極め、最後の一歩を踏み出す勇気をくれるちょっとした出来事こそ、本当の「きっかけ」なのではないでしょうか。
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