転職をするとき、条件や待遇だけで転職先を選ぶ人もいますが、会社の規模にこだわる人もたくさんいます。
会社の規模にこだわる人は「世間体がいいから大企業」や「福利厚生が充実しているから大企業」のように、どちらかというと大企業への転職を希望する人が多いのかもしれません。
しかし、転職の目的によっては、大企業よりも中小企業の方が適している人もいるのです。
今回は、大企業への転職と中小企業への転職の違いに注目し、それぞれのメリットとデメリットについて、解説していきたいと思います。
大企業へ転職するメリット
大企業への転職を希望する人は、かなりの実務経験を持っている人が多いため、一定のキャリアを持っている人のみが登録できる転職サイトからの応募が多い傾向があります。
大企業は、勤務年数が長くなればなるほど肩書も給与もあがるところが多いため、新卒で採用されると長年働き続ける人がほとんどです。
そのため、中途採用の募集は中小企業と比べて、少ないといえるでしょう。
大企業に転職するメリットは、やはり転職前よりも給与が上がったり、福利厚生が充実したりすることが大きなメリットでしょう。
また、大企業は営業所や支店を日本国内だけでなく、海外にも持っているため、一か所で働き続けるよりもさまざまな土地での生活を体験したい人に適しています。
大企業は、いくつもの部署を持っています。
部署が異なれば、仕事内容だけでなく人間関係も変わるのです。
大企業に入っていまえば、人間関係や仕事内容が自分と合わなくなったとき、再び転職活動をしなくても「異動願い」を出すだけで解決できる可能性が高いこともメリットでしょう。
大企業へ転職するデメリット
大企業に転職するデメリットは、求人が少ないことです。
大企業の多くは、新卒採用で入社し一から社員を育てていく傾向があります。
そのため、よほどのスキルを持っていなければ中途採用は難しいのです。
また、大企業は仕事の線引きがしっかりとされています。
例えば、経理部に転職したとしても「現金担当」「振込担当」のように、細かく仕事がわけられているのです。
そのため、毎日同じ仕事を繰り返す「ルーチン業務」が多くなるかもしれません。
「毎日違った仕事をしたい人」にとっては刺激が少ないかもしれません。
また、大企業は一つのことを決定するとき、必ず下から順に決裁を求めなければなりません。
「自分のアイデアを採用してほしい」「自分の考えを仕事に生かしたい」と思う人にとっては、思うような仕事ができず、もどかしい思いをする可能性もあるのです。
大企業への転職は、しっかりとしたシステム化された組織に入る「安心感」がある一方で、安心感を維持するための「枠組み」があることが、人によっては「足かせ」に感じられることが、デメリットなのかもしれません。
中小企業へ転職するメリット
中小企業の幅はとても大きく、家族経営のような企業から200名以上の社員を抱える企業も中小企業になります。
家族経営の企業に転職する場合は、社員である以上に「一緒に会社を運営していく同士」として迎えられるため、会社とのつながりは強くなるでしょう。
また、大企業のようにすべてがシステム化されてはいないため、時と場合によって融通がきくこともメリットです。
なにより、中小企業と大企業との大きな違いは社員数です。
中小企業は社員数が300名以下であるため、一人一人の仕事の種類や任される範囲が大企業よりも圧倒的に広くなります。
そのため「決定権」の一部が、社員によっては与えらえることもあり、自分の力を試したい人にとってはチャンスを得られる場になるでしょう。
中小企業へ転職するデメリット
中小企業は、少ない社員数で会社をまわしているため、場合によっては残業や休日出勤の必要があるかもしれません。
また、部署や支店が少ないところも多く、異動願いを出したところで希望が通ることも少ないでしょう。
一昔前ならば、中小企業に転職するデメリットは「安定性がない」と「給与が少ない」ことだったでしょう。
しかし、現代は大企業に就職しても転職したり、独立したりする人が増えています。
将来的に独立し、自分で起業したいと思っているならば、仕事の種類や決定権の範囲が広い中小企業で経験を積んだ方がプラスになるのかもしれません。
また、給与は大企業だから高いとは限らなくなっています。
中小企業であっても、ベンチャー企業の一部は「スキルや成果に応じて」大企業以上の給与を支払う会社もあるのです。
まとめ
今回は、大企業への転職と中小企業への転職の違いに注目し、それぞれのメリットとデメリットについて、解説してきました。
大企業に転職するか、中小企業に転職するかは、その後の身の振り方によって違ってくるのかもしれません。
転職でその先の人生が決まるのではなく、「転職は一つの通過点」として考え、自分が最終的に何を求めているかを考えることで、「大企業がむいているのか。中小企業がむいているのか」がみえてくるかと思います。
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